陸屋根の雨漏りは何が原因?マンション・ビルの屋上で傷む場所と、部分補修で済む目安

マンションやビルの屋上のような、平らな屋根を陸屋根といいます。最上階の入居者やテナントから「天井にシミが出ている」と連絡が来て、屋上からの雨漏りを疑っている方もいると思います。

屋上のどこが傷んでいるのか。部分的な補修で済むのか、屋上全体をやり直すことになるのか。費用はどれくらいかかって、業者の説明をそのまま信じていいのか。屋上の状態は自分では確かめにくいぶん、心配ばかりが先に立ちやすい場面です。

陸屋根で雨水が入りやすい場所と、部分補修か全面改修かの判断材料を知っておけば、業者の説明をうのみにせず、見積内容や補修範囲を確かめられるようになります。

この記事でわかること
  • 陸屋根が雨漏りしやすい理由
  • 雨水が入りやすい3か所(排水口・屋上のふち・防水層)
  • 部分補修で済むか、屋上全体をやり直すかの見分け方と費用
  • 防水の耐用年数の目安と、現地調査での判断材料
  • 雨漏りを防ぐための日頃の手入れ
この記事を書いた人
田村 正人(たむら まさと)

タムラ塗装 代表取締役社長 / 職人歴10年 / 一級塗装技能士保有
高校を卒業と共に外壁塗装業界へ。先代(親方)のようにいつも「お客さまに喜んでもらえる会社をつくる」をモットーに、お客様はもちろん、一緒に働く仲間や家族に対して思いやりを持って過ごせる会社を目指す。

陸屋根は雨漏りしやすい?しにくい?

傾きのある屋根に比べると、陸屋根は雨漏りしやすい形です。 ただ、屋上の防水が保たれていて、排水口が詰まっていなければ、雨漏りは起きにくくなります。

陸屋根は「ろくやね」と読みます。屋上に出られる、上が平らな建物なら、その屋根が陸屋根です。

平らな屋根は水が溜まりやすく、防水層だけで雨を止めている

瓦やスレートの屋根は、傾きを使って雨水を下へ流します。陸屋根には、その傾きがほとんどありません。排水のためのごく緩い勾配は付いていますが、斜めの屋根に比べれば水の流れはずっとゆっくりで、雨水が屋上に残りやすくなります。

もう一つ違うのが、雨を止める仕組みです。瓦やスレートは屋根材を何枚も重ねて水をしのぎますが、陸屋根にはそれがありません。雨を止めているのは、屋上の表面を覆う「防水層」です。

防水層は、屋上の表面に水を通さない膜をつくったもの、と考えてください。紫外線や熱、雨にさらされて、少しずつ傷んでいきます。継ぎ目なく仕上げていても、年数がたてばひび割れなどは出てきます。

水が溜まりやすいうえに、傷んだところがそのまま雨水の入り口になる。陸屋根が雨漏りしやすいのは、そのためです。

最初のサインは、最上階の天井のシミになりやすい

屋上から入った雨水は、真下にある最上階の天井に出てくることが多くあります。最上階の住戸だけでなく、廊下やエレベーターホールの天井に雨染みが出ることもあります。

室内に出る初期のサインは、たとえば次のようなものです。

  • 天井や壁のシミ
  • クロス(壁紙)の浮き
  • カビ臭さ
  • サッシまわりの水跡

台風のときは、とくに気をつけてください。強い風で雨が建物に吹き付けるので、ふだんは水が入らない場所から入ったり、屋上の排水が追いつかずに漏れたりします。私たちのところでも、雨の多い時期や台風のあとは、雨漏りのご相談がぐっと増えます。

一方で、最上階以外の部屋や窓まわりが濡れているなら、外壁など屋上以外が原因のこともあります。配管からの水漏れという可能性もあるので、屋上だと決めつけないでください。

いま天井から水が落ちているときの初動の手順や、ビル・マンションの雨漏りの原因と実例は、次の記事で詳しく解説しています。

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雨水が入りやすいのは排水口・屋上のふち・防水層

陸屋根で雨水が入りやすい場所は、大きく分けて排水口、屋上のふち、そして平らな面を覆っている防水層そのものの3か所です。

このうち排水口とふちは、水を外へ出したり、外壁との境目で水を止めたりする場所なので、ここが弱ると影響が出やすくなります。

陸屋根で雨水が入りやすい3か所

排水口(ドレン)が詰まると、水があふれて入り込む

ドレンとは、屋上に降った雨水を集めて流す排水口のことです。ここに落ち葉や砂、ゴミが溜まると、大雨のときに水がはけきれず、屋上に水たまりが残ります。

水が溜まったままの時間が長いほど、防水層には負担がかかり続けます。小さなひび割れや浮きがあれば、水はそこから入り込みます。

台風のように、短い時間に大量の雨がドレンへ押し寄せると、さらに危なくなります。流れが悪いと屋上の水かさが上がり、ふちの立ち上がりを越えたり、配管まわりのすき間から水が逆流したりして、雨漏りにつながることがあります。

厄介なのは、屋上にはふだん人があまり上がらないことです。詰まっていても、雨漏りが起きるまで誰も気づかない、ということになりがちです。

屋上のふち(パラペット・笠木)は、防水が途切れる弱い場所

屋上のまわりには、外周に沿って低い壁が立ち上がっています。これがパラペットで、雨水が外壁へ流れ落ちるのを防ぐ役目もあります。その壁のてっぺんにかぶせてある金属などのカバーが、笠木(かさぎ)です。

ふちは、平らな面の防水層が終わって、外壁とつながる場所です。防水層の端は金物で押さえて固定してありますが、固定がゆるんだり傷んだりすると、そこにすき間ができます。

笠木と防水層のあいだが開けば、そこが水の入り口になります。笠木の固定部や継ぎ目から入った水が、外壁の側へ回ることもあります。外壁のひび割れの見分け方は、次の記事で解説しています。

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防水層のひび割れ・ふくれ・はがれから入る

防水層そのものも、年数とともに傷みます。表に出てくるのは、主に次の3つです。

  1. ひび割れ:防水層の表面に細かい亀裂が入る
  2. ふくれ:防水層の下に水分が入り込み、表面が盛り上がる
  3. はがれ:防水層が下地から浮いて、めくれてくる。端や継ぎ目から起きやすい

このうち見過ごされやすいのが、ふくれです。少し盛り上がっているだけに見えるので放っておかれがちですが、防水層の下にもう水が入っているサインのことがあります。

当社の施工事例でも、港区のブラジル大使館では前回の防水工事から10年がたった時点でご依頼をいただき、防水層に水が入って膨らんでいる箇所を先に補修してから防水工事をおこないました。

また、朝日信用金庫根岸支店では、屋上のウレタン塗膜の下に水が溜まって膨れ、切れてめくれてしまったことがきっかけで大規模修繕をご依頼いただいています。

部分補修か全面改修かは、傷みの範囲と下地の状態で判断する

部分補修か屋上全体のやり直しかの目安

排水口まわりや一部の傷みなら、部分補修で済みやすい

次のような条件がそろっていれば、部分補修で対応できる見込みがあります。

  • 排水口まわりなど、ひび割れやふくれが一部に限られている
  • 防水層の下地まで傷みが広がっていない
  • 前回の防水工事から、耐用年数の目安(工法により10〜20年ほど)までまだ余裕がある

当社でご案内しているマンション・ビルの目安では、屋上の防水を部分的に直す場合(10〜20㎡)で費用は8万〜20万円ほど、おおむね足場なしで工期は1日〜数日です。建物の状態や材料の価格の動きによって変わります。

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ただし、表面のふくれやはがれが狭い範囲に見えても、防水層の下地まで傷みや水分が広がっている場合は、部分補修だけでは止まらないことがあります。

防水層全体が傷んでいるなら、屋上全体のやり直しを考える

反対に、次のような状態なら、部分補修を重ねるより屋上全体をやり直したほうが、結果的に負担が少なく済むことがあります。

  • 前回の防水工事から、耐用年数の目安を超えている
  • ふくれやはがれが、屋上のあちこちに出ている
  • 部分補修を、もう何度も繰り返している

傷みの根っこが残っていれば、直した場所やそのまわりで、また症状が出ます。工事を細かく分けるほど、そのたびに段取りと費用がかかります。

当社でご案内している目安では、延床40坪〜200坪・地上10階以下の小規模ビルの屋上防水は、下地の傷みが少ない場合で250万〜550万円ほどです。これは屋上防水の施工費が中心で、外壁や笠木、ドレンまわりの補修が必要になれば、その分が加わります。

当社の施工事例であるブラジル大使館(建物の屋上と1階出入り口の屋上)の工事内容は、次のとおりでした。

  • 施工期間:19日間
  • 価格:350万〜550万円
  • 内容:下地の傷んだ箇所を補修したうえで、ウレタン防水の密着工法で仕上げ

全面のやり直しを勧められたら、その根拠を写真で見せてもらう

屋上全体のやり直しを勧められたら、その場で決めずに、次のことを業者に聞いてみてください。

  • どこが傷んでいるのか(写真で見せてもらう)
  • なぜ部分補修では足りないのか
  • 前回の工事からの経過年数と、現在の下地の状態はどうなっているか
  • 見積もりに、排水口や屋上のふち、立ち上がり、塔屋まで含まれているか

見積もりに「屋上防水一式」としか書かれていなければ、工法名、施工面積、下地補修、保証の内容を、問い合わせの段階で確かめておくと安心です。説明を聞いても納得できないなら、ほかの業者の見立ても聞いてみてください。

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陸屋根の防水は、何年くらいもつ?

防水層には工法ごとに耐用年数の目安があり、当社では小規模ビルの屋上防水について次の年数をご案内しています。

工法 耐用年数の目安
ウレタン密着 10〜12年
ウレタン通気緩衝 10〜15年
塩ビシート(接着) 15〜20年
塩ビシート(機械固定) 15〜20年
アスファルト 20〜30年
FRP 10〜15年

ただ、表の年数を過ぎていないから大丈夫、とは言い切れません。古い仕様をもとにした国の推定では、ウレタン防水(露出)で10年、シート防水で13年と、もう少し短い年数も示されています。

出典:5.防水 – 建築研究所

前回の防水工事から何年たったかは、補修範囲を考えるうえでの判断材料の一つです。目安の年数に近づいている、あるいは超えているなら、劣化のサインが出ていないかを一度見てもらう時期といえます。

前回の工事の時期は、建物の工事図面や工事図書、修繕の記録、前回の工事の完了報告書などで確かめられます。とはいえ、建物を購入したときの書類が残っていないなど、記録が不明な場合でも相談は可能です。

室内の症状や写真、分かる範囲の工事記録を業者に伝え、実際の補修範囲は現地調査で屋上の状態を見たうえで判断してもらいましょう。

前回の工事時期が分からない場合も、現地調査で屋上の状態を確かめて補修範囲をご案内します
対応エリア

東京都足立区・荒川区・23区・都内近郊

雨漏りを防ぐために、自分でできることは?

オーナーが日頃の手入れでできることと、業者に任せたほうがいいことを分けておくと、やることがはっきりします。

排水口のゴミを取るだけでも、雨漏りは防ぎやすくなる

屋上に安全に出られる建物なら、排水口のまわりの落ち葉やゴミを取り除いておくだけでも、水が溜まりにくくなります。できれば月に1回ほど、また台風が来る前にも一度見ておくと、排水口があふれるのを防ぎやすくなります。

管理会社に頼んでいる場合も、実際に清掃されているか一度確かめておくと安心です。屋上に出たときは、次の点も見ておくと異変に早く気づけます。

  • 排水口のまわりに、落ち葉や砂、ゴミが溜まっていないか
  • 雨のあと、屋上に水たまりがいつまでも残っていないか
  • 気になるところを見つけたら、写真に撮って残しておく

ただし、手すりや安全な出入り口がない屋上には、無理に上がらないでください。また、掃除はあくまで予防であり、防水層や立ち上がりの傷みがすでに進んでいる場合は掃除だけでは解決しません。

防水層の状態は、業者に見てもらう

ひび割れやふくれが雨漏りの入り口になっているか、下地まで水が回っているかは、表面の見た目だけでは判断しにくいところです。業者に現地調査を頼むときは、次のことを伝えると状況が正確に伝わります。

  • 室内の症状と写真(いつ、どの部屋・共用部で、どんな雨のときに出たか)
  • 前回の防水工事の時期(分かる範囲で)

タムラ塗装では、屋上に実際に上がって防水層の状態を確認します。

タムラ塗装の場合
  • 無料でできること:目視(屋上に上がれない建物ではドローン)による現地調査、原因報告書の作成、お見積もり
  • 費用がかかるもの:足場が要る高所作業や、半日〜1日がかりの本格的な散水調査が必要になったとき
  • 伺う時期:ご連絡から当日〜1週間以内が目安(スケジュールによります)
  • 建設業の許可:東京都知事許可(般-4)第156606号 塗装工事業として許可を受けています

調査の方法や当日の流れは、次の記事で詳しく書いています。

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入居者から「天井から水が落ちてくる」と連絡が入った。あるいは、自宅の天井のシミが少しずつ広がってきた。建物である以上、このような場面に遭遇することは避けられません。かといって、屋上や外壁は自分ではなかなか確認するのが難しい箇所ですので、業者に頼んで調べてもらう必要があります。 ただ、頼む前に気にな

まとめ:症状と分かる範囲の記録を伝え、補修範囲は現地調査で判断してもらう

  • 陸屋根は平らで水が溜まりやすく、屋上の表面を覆う防水層で雨を止めている
  • 雨水が入りやすいのは、排水口(ドレン)・屋上のふち(パラペット・笠木)・防水層の3か所
  • 部分補修か全面改修かは、傷みの範囲と下地の状態で判断する。全面改修を勧められたら根拠を写真で確かめる
  • 前回の工事からの経過年数は判断材料の一つ。記録が不明でも相談できる
  • 排水口のゴミ取りは日頃の予防になるが、防水層や下地の状態は現地調査で業者に見てもらう

タムラ塗装の現地調査は無料です。症状や写真、分かる範囲の工事記録をお伝えいただければ、部分補修で済むのか、屋上全体をやり直すべきなのかを、実際の屋上を見たうえでご案内します。ご自宅(戸建て住宅)の陸屋根が気になる方も、相談窓口までお問い合わせください。

入居者から聞いた内容と、分かる範囲の前回の工事時期を添えてご連絡ください
対応エリア

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この記事を書いた人
田村 正人(たむら まさと)

タムラ塗装 代表取締役社長 / 職人歴10年 / 一級塗装技能士保有
高校を卒業と共に外壁塗装業界へ。先代(親方)のようにいつも「お客さまに喜んでもらえる会社をつくる」をモットーに、お客様はもちろん、一緒に働く仲間や家族に対して思いやりを持って過ごせる会社を目指す。

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