2026.10.28
投稿日:2026.10.28
マンションやビルの屋上のような、平らな屋根を陸屋根といいます。最上階の入居者やテナントから「天井にシミが出ている」と連絡が来て、屋上からの雨漏りを疑っている方もいると思います。
屋上のどこが傷んでいるのか。部分的な補修で済むのか、屋上全体をやり直すことになるのか。費用はどれくらいかかって、業者の説明をそのまま信じていいのか。屋上の状態は自分では確かめにくいぶん、心配ばかりが先に立ちやすい場面です。
陸屋根で雨水が入りやすい場所と、部分補修か全面改修かの判断材料を知っておけば、業者の説明をうのみにせず、見積内容や補修範囲を確かめられるようになります。

タムラ塗装 代表取締役社長 / 職人歴10年 / 一級塗装技能士保有
高校を卒業と共に外壁塗装業界へ。先代(親方)のようにいつも「お客さまに喜んでもらえる会社をつくる」をモットーに、お客様はもちろん、一緒に働く仲間や家族に対して思いやりを持って過ごせる会社を目指す。

傾きのある屋根に比べると、陸屋根は雨漏りしやすい形です。 ただ、屋上の防水が保たれていて、排水口が詰まっていなければ、雨漏りは起きにくくなります。
陸屋根は「ろくやね」と読みます。屋上に出られる、上が平らな建物なら、その屋根が陸屋根です。
瓦やスレートの屋根は、傾きを使って雨水を下へ流します。陸屋根には、その傾きがほとんどありません。排水のためのごく緩い勾配は付いていますが、斜めの屋根に比べれば水の流れはずっとゆっくりで、雨水が屋上に残りやすくなります。
もう一つ違うのが、雨を止める仕組みです。瓦やスレートは屋根材を何枚も重ねて水をしのぎますが、陸屋根にはそれがありません。雨を止めているのは、屋上の表面を覆う「防水層」です。
防水層は、屋上の表面に水を通さない膜をつくったもの、と考えてください。紫外線や熱、雨にさらされて、少しずつ傷んでいきます。継ぎ目なく仕上げていても、年数がたてばひび割れなどは出てきます。
水が溜まりやすいうえに、傷んだところがそのまま雨水の入り口になる。陸屋根が雨漏りしやすいのは、そのためです。
屋上から入った雨水は、真下にある最上階の天井に出てくることが多くあります。最上階の住戸だけでなく、廊下やエレベーターホールの天井に雨染みが出ることもあります。
室内に出る初期のサインは、たとえば次のようなものです。
台風のときは、とくに気をつけてください。強い風で雨が建物に吹き付けるので、ふだんは水が入らない場所から入ったり、屋上の排水が追いつかずに漏れたりします。私たちのところでも、雨の多い時期や台風のあとは、雨漏りのご相談がぐっと増えます。
一方で、最上階以外の部屋や窓まわりが濡れているなら、外壁など屋上以外が原因のこともあります。配管からの水漏れという可能性もあるので、屋上だと決めつけないでください。
いま天井から水が落ちているときの初動の手順や、ビル・マンションの雨漏りの原因と実例は、次の記事で詳しく解説しています。
マンションで雨漏りが起きたとき、最初にすべきことは管理会社または管理組合への連絡です。 誰が費用を負担するかは「原因が共用部か専有部か」が確定してから決まります。 調査の前に個人で動いてしまうと、管理組合や貸主が負担すべき修繕費を全額自己負担するリスクがあります。 この記事では、初動の手順・費
「天井にシミが出ている。とりあえずあの部分だけ直せばいい」 最初にそう考えるオーナーは多いです。しかしビルの雨漏りは、染みが出ている場所と実際の浸入口が一致しないことがほとんどです。見えている部分だけを塞いでも、数か月後に同じ場所からまた漏れる——これがビルの雨漏りでよくある失敗パターンです。

陸屋根で雨水が入りやすい場所は、大きく分けて排水口、屋上のふち、そして平らな面を覆っている防水層そのものの3か所です。
このうち排水口とふちは、水を外へ出したり、外壁との境目で水を止めたりする場所なので、ここが弱ると影響が出やすくなります。

ドレンとは、屋上に降った雨水を集めて流す排水口のことです。ここに落ち葉や砂、ゴミが溜まると、大雨のときに水がはけきれず、屋上に水たまりが残ります。
水が溜まったままの時間が長いほど、防水層には負担がかかり続けます。小さなひび割れや浮きがあれば、水はそこから入り込みます。
台風のように、短い時間に大量の雨がドレンへ押し寄せると、さらに危なくなります。流れが悪いと屋上の水かさが上がり、ふちの立ち上がりを越えたり、配管まわりのすき間から水が逆流したりして、雨漏りにつながることがあります。
厄介なのは、屋上にはふだん人があまり上がらないことです。詰まっていても、雨漏りが起きるまで誰も気づかない、ということになりがちです。
屋上のまわりには、外周に沿って低い壁が立ち上がっています。これがパラペットで、雨水が外壁へ流れ落ちるのを防ぐ役目もあります。その壁のてっぺんにかぶせてある金属などのカバーが、笠木(かさぎ)です。
ふちは、平らな面の防水層が終わって、外壁とつながる場所です。防水層の端は金物で押さえて固定してありますが、固定がゆるんだり傷んだりすると、そこにすき間ができます。
笠木と防水層のあいだが開けば、そこが水の入り口になります。笠木の固定部や継ぎ目から入った水が、外壁の側へ回ることもあります。外壁のひび割れの見分け方は、次の記事で解説しています。
外壁に細かいひびを見つけたとき、「これは放置しても大丈夫なのか、それとも急いで業者を呼ぶべきか」と迷うのは当然です。 住宅の相談を受け付けている公的な窓口「住まいるダイヤル」の調査では、新築の戸建てに寄せられる不具合相談のうち21.2%が「ひび割れ・亀裂」に関するものでした※。 建てたばかりの家
防水層そのものも、年数とともに傷みます。表に出てくるのは、主に次の3つです。
このうち見過ごされやすいのが、ふくれです。少し盛り上がっているだけに見えるので放っておかれがちですが、防水層の下にもう水が入っているサインのことがあります。
当社の施工事例でも、港区のブラジル大使館では前回の防水工事から10年がたった時点でご依頼をいただき、防水層に水が入って膨らんでいる箇所を先に補修してから防水工事をおこないました。
また、朝日信用金庫根岸支店では、屋上のウレタン塗膜の下に水が溜まって膨れ、切れてめくれてしまったことがきっかけで大規模修繕をご依頼いただいています。



次のような条件がそろっていれば、部分補修で対応できる見込みがあります。
当社でご案内しているマンション・ビルの目安では、屋上の防水を部分的に直す場合(10〜20㎡)で費用は8万〜20万円ほど、おおむね足場なしで工期は1日〜数日です。建物の状態や材料の価格の動きによって変わります。
「補修工事をお願いしたら修繕が必要と言われた」「見積書に補修・修繕・改修・改良が並んでいるけど、何がどう違うの?」 補修と修繕は目的も規模も費用もまったく別物ですが、言葉だけ見ても区別がつきにくいですよね。業者の提案を受けるとき、違いが分からないままでは、その内容が妥当かどうかを確認する手立てがあ
ただし、表面のふくれやはがれが狭い範囲に見えても、防水層の下地まで傷みや水分が広がっている場合は、部分補修だけでは止まらないことがあります。
反対に、次のような状態なら、部分補修を重ねるより屋上全体をやり直したほうが、結果的に負担が少なく済むことがあります。
傷みの根っこが残っていれば、直した場所やそのまわりで、また症状が出ます。工事を細かく分けるほど、そのたびに段取りと費用がかかります。
当社でご案内している目安では、延床40坪〜200坪・地上10階以下の小規模ビルの屋上防水は、下地の傷みが少ない場合で250万〜550万円ほどです。これは屋上防水の施工費が中心で、外壁や笠木、ドレンまわりの補修が必要になれば、その分が加わります。
当社の施工事例であるブラジル大使館(建物の屋上と1階出入り口の屋上)の工事内容は、次のとおりでした。

屋上全体のやり直しを勧められたら、その場で決めずに、次のことを業者に聞いてみてください。
見積もりに「屋上防水一式」としか書かれていなければ、工法名、施工面積、下地補修、保証の内容を、問い合わせの段階で確かめておくと安心です。説明を聞いても納得できないなら、ほかの業者の見立ても聞いてみてください。
「小規模ビルの屋上防水工事を検討しているけれど、何をどう決めればいいか分からない」——そういう状態で調べ始める方が多い工事です。延床40坪〜200坪・地上10階以下のビルで屋上防水を行う場合、下地が健全であれば250万〜550万円が一つの目安ですが、工法・施工範囲・下地の状態によって内容も費用も変わ
屋上防水の工事内容は、こちらのページにまとめています。
【緊急の雨漏りにも対応!】東京都で防水・シーリング工事業者をお探しなら、外壁塗装・屋根修理専門の株式会社タムラ塗装(本社:足立区、荒川区)にお任せください。雨漏り、シミ・カビ、ひび割れなど、建物の劣化を食い止め、快適な住環境をご提供します。

防水層には工法ごとに耐用年数の目安があり、当社では小規模ビルの屋上防水について次の年数をご案内しています。
| 工法 | 耐用年数の目安 |
|---|---|
| ウレタン密着 | 10〜12年 |
| ウレタン通気緩衝 | 10〜15年 |
| 塩ビシート(接着) | 15〜20年 |
| 塩ビシート(機械固定) | 15〜20年 |
| アスファルト | 20〜30年 |
| FRP | 10〜15年 |
ただ、表の年数を過ぎていないから大丈夫、とは言い切れません。古い仕様をもとにした国の推定では、ウレタン防水(露出)で10年、シート防水で13年と、もう少し短い年数も示されています。
出典:5.防水 – 建築研究所
前回の防水工事から何年たったかは、補修範囲を考えるうえでの判断材料の一つです。目安の年数に近づいている、あるいは超えているなら、劣化のサインが出ていないかを一度見てもらう時期といえます。
前回の工事の時期は、建物の工事図面や工事図書、修繕の記録、前回の工事の完了報告書などで確かめられます。とはいえ、建物を購入したときの書類が残っていないなど、記録が不明な場合でも相談は可能です。
室内の症状や写真、分かる範囲の工事記録を業者に伝え、実際の補修範囲は現地調査で屋上の状態を見たうえで判断してもらいましょう。
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オーナーが日頃の手入れでできることと、業者に任せたほうがいいことを分けておくと、やることがはっきりします。
屋上に安全に出られる建物なら、排水口のまわりの落ち葉やゴミを取り除いておくだけでも、水が溜まりにくくなります。できれば月に1回ほど、また台風が来る前にも一度見ておくと、排水口があふれるのを防ぎやすくなります。
管理会社に頼んでいる場合も、実際に清掃されているか一度確かめておくと安心です。屋上に出たときは、次の点も見ておくと異変に早く気づけます。
ただし、手すりや安全な出入り口がない屋上には、無理に上がらないでください。また、掃除はあくまで予防であり、防水層や立ち上がりの傷みがすでに進んでいる場合は掃除だけでは解決しません。
ひび割れやふくれが雨漏りの入り口になっているか、下地まで水が回っているかは、表面の見た目だけでは判断しにくいところです。業者に現地調査を頼むときは、次のことを伝えると状況が正確に伝わります。
タムラ塗装では、屋上に実際に上がって防水層の状態を確認します。
調査の方法や当日の流れは、次の記事で詳しく書いています。
入居者から「天井から水が落ちてくる」と連絡が入った。あるいは、自宅の天井のシミが少しずつ広がってきた。建物である以上、このような場面に遭遇することは避けられません。かといって、屋上や外壁は自分ではなかなか確認するのが難しい箇所ですので、業者に頼んで調べてもらう必要があります。 ただ、頼む前に気にな
タムラ塗装の現地調査は無料です。症状や写真、分かる範囲の工事記録をお伝えいただければ、部分補修で済むのか、屋上全体をやり直すべきなのかを、実際の屋上を見たうえでご案内します。ご自宅(戸建て住宅)の陸屋根が気になる方も、相談窓口までお問い合わせください。
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