雨漏り修理の費用はいくら?マンション・ビルの相場と、見積書で確かめる3つのこと

雨漏りが起きて、業者から修理の見積もりが届いたとき。「この金額は本当に妥当なのか」「不要な工事が含まれていないか」と、手が止まってしまうオーナー様も多いと思います。

雨漏り修理の金額は、実は「原因がどこまで広がっているか」で決まります。ですから、見積書を見るときは、金額の高い安いよりも先に「原因と工事の範囲が合っているか」を確かめることが何より大切です。

この記事では、実際の相場や当社の実例をもとに、お手元の見積書を確かめるときの見方をお伝えします。戸建てにお住まいの方も、費用の考え方と見積書の見方は同じです。

この記事でわかること
  • 雨漏り修理の費用相場(直す範囲ごとの目安)
  • 金額に大きな差が出る理由
  • 当社の実例(工事全体の金額と、原因・工事の範囲の関係)
  • 見積書で確認する3つのポイント
  • 見積もり後に支払額が増える場合と、減らせる場合
この記事を書いた人
田村 正人(たむら まさと)

タムラ塗装 代表取締役社長 / 職人歴10年 / 一級塗装技能士保有
高校を卒業と共に外壁塗装業界へ。先代(親方)のようにいつも「お客さまに喜んでもらえる会社をつくる」をモットーに、お客様はもちろん、一緒に働く仲間や家族に対して思いやりを持って過ごせる会社を目指す。

目次

マンション・ビルの雨漏り修理費用の相場はいくら?

雨漏り修理と聞くと高額な工事を想像するかもしれませんが、実は「直す範囲」が広がるほど費用の桁が変わります。

マンションやビルの場合、目安は次のようになります。

直す範囲 工事の例 足場 金額の目安(マンション・ビル)
傷んだ1か所だけの補修 シーリングの部分的な打ち替え、防水のはがれた部分の補修 足場なしで対応できることが多い 数万〜数十万円
1つの部位をまるごと修繕 屋上全体の防水のやり直しなど 直す部位による(外壁なら必要) 数十万〜数百万円
建物全体の大規模修繕 屋上防水と外壁全体をまとめてやり直す 必須(外壁全体を施工するため) 数百万〜1,000万円を超えることも

傷んだ1か所だけの補修なら数万〜数十万円

切れたシーリングを数メートル打ち替える、はがれた防水の一部を直す、といった工事です。雨水の入り口が1か所に限られていれば、この補修だけで雨漏りは止まります。

1つの部位をまるごと修繕すると数十万〜数百万円

屋上の防水を全体的にやり直すような工事です。「屋上だけ」でも、1か所の補修とは金額の桁が変わります。金額は、面積や工法、下地の傷み具合で幅が出ます。屋上だけを直した当社の実例は、のちほどご紹介します。

建物全体の大規模修繕は数百万〜1,000万円を超えることも

屋上の防水と外壁全体をまとめてやり直す工事です。早く手を打てば数万〜数十万円で済んだ雨漏りも、放置して建物の内部まで傷むと、この規模の工事が必要になることがあります。

同じ雨漏り修理でも、数万円で済むこともあれば、1,000万円を超えることもあります。なぜ、ここまで差が出るのでしょうか。

なぜ雨漏り修理の費用には大きな差が出るの?

雨漏り修理の金額の差は、主に「どこまで直すか」と「足場が要るか」の2つで生まれます。

雨漏りの原因がどこまで広がっているかで「直す範囲」が変わる

雨漏り修理の金額をいちばん大きく左右するのは「どこまで直すか」です。そしてこれは、漏れている箇所の数ではなく、雨漏りの原因がどこまで広がっているかで決まります。

たとえば同じシーリングの工事でも、傷んだ部分だけを新しくする「部分打ち替え(補修)」と、すべてを新しくする「全面打ち替え(修繕)」では、費用も規模もまったく違います。

天井のシミが1か所でも、壁の中で原因が広がっていれば、工事の範囲は広くなります。この広がりは、現地で調べないと分かりません。

原因を調べる調査と、直す工事の費用は別です。調査の方法ごとの費用は、こちらの記事にまとめています。

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外壁を直す工事では「足場代」が上乗せされる

もう1つの大きな分かれ目が、足場が要るかどうかです。傷んだ1か所だけの補修であれば、足場なしで対応できることが多いですが、外壁の工事が加わるとそこに足場代が上乗せされます。

もちろん、足場を組むのであれば、同じ足場で直せる箇所をまとめて施工して将来の足場代を節約する、という合理的な考え方もあります。ただ、屋上だけの工事で足場が要るかどうかは建物の形状や周辺環境によって違うため、一概には言えません。

雨漏りの原因がどこまで広がっているかで実際の工事内容や金額がどう変わるのか、当社の施工事例で具体的に確認してみましょう。

本当に原因の広がりで金額は変わる?実際の工事費用を見てみる

当社の実例で、原因と工事の範囲、金額の関係を見てみましょう。

江東区と足立区の例は、どちらも最初は「1か所からの雨漏り」でしたが、原因の広がりと、足場を組む機会にどこまで一緒に直したかで、工事の範囲も金額も大きく変わりました。

なお、ここから紹介するのは雨漏り修理単体ではなく、「工事全体の金額」です。

建物 雨漏りのきっかけ 原因 工事の範囲 工事全体の金額 施工期間 事例の掲載年
江東区のアパート 最上階の居住者からの報告 屋上の塩ビシートの「パッチ」という部分の傷み 屋上の防水のみ 70万〜110万円 10日間 2025年
足立区の建物 洗面所への漏水 外壁の目地シーリングの劣化 外壁まわりをまとめて(大規模修繕工事) 300万〜500万円 46日間 2025年
川口市の戸建て 強風で棟板金が飛散(雨漏り直前の食い止め) 棟板金の飛散 屋根全体の棟板金・棟木の交換 10万〜50万円 6日間 2024年

屋上だけを防水工事したアパート(工事全体で70万〜110万円)

江東区のアパートでは、最上階からの雨漏り報告を受けて調査した結果、屋上の塩ビシートの「パッチ」部分が傷んでいる可能性が見つかりました。

原因が屋上に限られていたため、工事は屋上の防水だけで済み、工事全体で70万〜110万円、10日間で完了しています。原因が限られていれば、工事の範囲も金額も小さく収まります。

外壁まわりをまとめて直した建物(工事全体で300万〜500万円)

足立区の建物では洗面所へ漏水があり、原因は外壁の目地シーリングの劣化でした。雨漏りを止めるため、シーリングをすべて打ち替えています。

あわせて、足場を組む機会に、外壁タイルの防水塗装や剥離部の張り替え、付帯部・軒裏の塗装も行いました。大規模修繕工事として、工事全体で300万〜500万円、46日間で完了しています。

この金額には、雨漏りを止める工事だけでなく、一緒に直した外壁や付帯部の工事も含まれています。

同じ足場で直せる箇所を一緒に修繕した方が将来の足場代を節約できますが、大切なのは「一緒に直す理由」が業者からきちんと説明されているかどうかです。

この2件だけでマンション・ビルの相場は語れませんが、原因の広がりと直した範囲でこれだけ金額が変わる目安になります。

戸建ても同じ。強風で飛んだ屋根の板金を交換(工事全体で10万〜50万円)

戸建てでも考え方は同じです。川口市の戸建てでは、強風で屋根の棟板金が飛んでしまったとのご連絡をいただきました。

幸いにも室内への雨漏りが起きる前でしたが、放置すれば次の雨で確実に浸水する状態でした。そこで急ぎ雨養生をおこなったうえで足場を組み、屋根全体の棟板金と下地の棟木を交換しました。

工事全体で10万〜50万円、6日間で完了しています。このように雨漏りが発生する手前の段階で原因箇所を特定して直せれば、工事の規模も費用も最小限に抑えられます。

手元の見積もりは適正?雨漏り修理の見積書で確認する3つのポイント

見積もりが妥当かどうかは、金額の高い安いだけでは判断できません。

実例で見た「原因と工事の範囲が合っているか」を、お手元の見積書に当てはめて確かめる順番を3つ紹介します。

①雨漏りの原因の説明があるか

まずは、見積書や調査報告書、あるいは口頭での説明に、「雨漏りの原因(どこから水が入っているか)」がはっきり示されているかを確認します。原因の説明がなければ、提案された工事の範囲が正しいかを判断できません。

見積書そのものには原因を書かない業者もいるため、書かれていないだけで悪い見積もりとは限りません。見当たらなければ、直接業者に「どこから水が入っているのか」を聞いてみてください。

②工事の範囲が原因と合っているか

次に、見積書の工事の範囲が、特定された原因と合っているかを見ます。直す範囲が不自然に広すぎないか、原因となっている箇所が抜けていないかを確認します。

原因と直接関係のない工事が含まれていても、それだけで不当とは限りません。実例でお伝えした「足場を組む機会に一緒に直す」といった正当な理由があるかもしれないからです。理由の説明がなければ、必ず業者に確認してください。見積もりの妥当性は、金額ではなく「工事の範囲と原因が合っているか」で判断します。

③「一式」の中身を聞いて確かめる

見積書に「〇〇工事一式」とだけ書かれ、材料や数量などの内訳が分からない項目があると、原因と工事の範囲が合っているかを確かめられません。数量や単価を出せるはずの項目まで「一式」になっていると、何にいくらかかっているのかが見えなくなります。

ただし、工事の内容によっては「一式」としか書きようがない項目もあるため、すぐに避けるべき見積もりとは限りません。その項目の中身を質問したとき、業者が「原因と工事の範囲がどう合っているか」まで具体的に答えてくれるかを、判断の材料にしてみてください。

3つを確かめても迷うなら、別の業者にも現地を見てもらう

3つを確かめても判断がつかないときは、別の業者にも現地を見てもらい、原因の説明と見積もりを比べてみてください。先ほどの江東区のアパートのオーナー様も、管理会社が用意した見積もりと私たちの提案を比べて、工事を決められました。

タムラ塗装の場合
  • 無料でできること:目視やドローンによる現地調査、原因報告書の作成、お見積もり
  • 費用がかかるもの:足場が要る高所作業や、半日〜1日がかりの本格的な散水調査が必要になったとき
  • 応急処置の費用:足場が要らない場合で5万5,000円〜11万円前後
  • 伺う時期:ご連絡から当日〜1週間以内が目安(スケジュールによります)
  • 工事を前提としない、診断だけのご相談もできます
自分の建物の原因を知りたいときは、診断だけのご相談もできます
対応エリア

東京都足立区・荒川区・23区・都内近郊

見積もりから最終的な支払額が変わることはある?

見積もりの内容に納得して契約しても、最終的に支払う額が変わることがあります。

追加費用が発生して「増える」場合と、火災保険が適用されて自己負担を「減らせる」場合です。

追加費用で増えるケース。工事を始めてから見えなかった劣化が見つかる

現地調査では、外壁の内部や下地の状態までは確認できないことがあります。そのため、工事を始めてから見えなかった傷みが見つかり、その修繕が追加になることがあります。

これは調査の時点では見えなかった傷みを直すための工事なので、業者から理由の説明があれば正当な追加費用と考えられます。追加の説明を受けたときは、どこにどんな傷みが見つかったのか、写真等で実際に見せてもらって確認してください。

【要注意】不安をあおられ、不要な工事を追加される

一方で、「ここも直さないと大変なことになります」「ついでにやった方がいい」と不安をあおり、不要な追加工事を契約させる手口もあります。これは屋根など、ご自身で直接確認しにくい場所で多く見られます。

外壁塗装でよくある手口ですが、雨漏り修理でも起こりうる問題です。こうした提案を受けたときも基本は見直しと同じで、「その追加工事は特定した原因を直すためのものか」「一緒に直す明確な理由があるか」の2つを冷静に確かめてください。

自己負担を減らせるケース。自然災害なら火災保険が使える場合がある

建物の破損や雨漏りが、台風や強風、雪といった「自然災害」によるものであれば、火災保険が適用される可能性があります。

出典:住宅の修理などに関するトラブルにご注意(日本損害保険協会)

保険の適用に関しては、以下の点に注意してください。

  • 経年劣化は対象外になりやすい:シーリングの劣化や屋根材の寿命など、自然に傷んだ場合は対象外になることがほとんどです。
  • 適用可否は保険会社が判断する:実際に保険が適用されるかは、保険会社が被害状況を確認して個別に判断します。
  • 証拠の写真を残しておく:申請に備え、被害状況がわかるように複数枚の写真を撮っておくことをお勧めします。
  • 「無料で直せる」と極端にうたう業者に注意:保険金の請求は、業者に頼らなくてもご自身で行えます。
  • 共用部の扱いは契約内容次第:マンションやビルの共用部が対象になるかは、加入している保険の契約内容によります。

出典:保険金で住宅修理ができると勧誘する事業者に注意!(国民生活センター)

何より、それが自然災害によるものなのか、経年劣化によるものなのかは、原因を調べてみないと分かりません。

まとめ:雨漏り修理の金額は「原因」と「工事の範囲」で確かめる

相場から始まり、金額に差が出る理由、当社の実例、見積書の見方、そして最終的な支払額が変わる場合についてお話ししてきました。

どの判断も、最後は「原因」に行き着きます。原因が分かれば、見積書の工事の範囲が合っているかを確かめられます。単価や数量が妥当かは、別の業者の見積もりと比べると見えてきます。まずは、雨漏りの原因を確かめてみてください。

  • 費用は直す範囲で桁が変わり、その差は「原因の広がり」と「足場」で決まる
  • 当社の実例でも、原因の広がりと修繕範囲によって実際の金額が変わった
  • 見積書は金額より先に「工事の範囲が原因と合っているか」を確認する
  • 追加費用は、見えなかった劣化を直すためなら正当な場合がある
  • 火災保険は自然災害なら適用の可能性があるが、経年劣化は対象外になりやすい
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ビルの雨漏り修繕の費用と原因を実例から解説|小規模ビルオーナー向け

「天井にシミが出ている。とりあえずあの部分だけ直せばいい」 最初にそう考えるオーナーは多いです。しかしビルの雨漏りは、染みが出ている場所と実際の浸入口が一致しないことがほとんどです。見えている部分だけを塞いでも、数か月後に同じ場所からまた漏れる——これがビルの雨漏りでよくある失敗パターンです。

工事を前提としない、調査や診断だけのご相談も受け付けています。マンション・ビルはもちろん、戸建ての雨漏りもご相談ください。

見積もりに迷ったら、まずは雨漏りの原因を確かめに伺います
対応エリア

東京都足立区・荒川区・23区・都内近郊

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田村 正人(たむら まさと)

タムラ塗装 代表取締役社長 / 職人歴10年 / 一級塗装技能士保有
高校を卒業と共に外壁塗装業界へ。先代(親方)のようにいつも「お客さまに喜んでもらえる会社をつくる」をモットーに、お客様はもちろん、一緒に働く仲間や家族に対して思いやりを持って過ごせる会社を目指す。

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