外壁の剥がれ、施工不良か経年劣化か。一級塗装技能士が教える3つの確認ポイント

外壁に剥がれを見つけると、「今すぐ対処が必要なのか、それとも様子を見てもいいのか」という疑問が最初に浮かぶはずです。

工事の不備が原因なのか、年数が経ったことによる傷みなのかで、急ぐ度合いも直し方も変わります。

結論からお伝えすると、塗装から3年以内に一部だけ剥がれているなら施工不良、塗料の持ちの目安を過ぎたころに色あせとともに全体へ広がっているなら経年劣化の可能性が高いです(持ちの目安は後ほど紹介します)。

この記事では、一級塗装技能士として現場に立ち続けてきた立場から、剥がれの原因の見分け方、放置した場合に起きること、直し方と費用の目安、業者の確認点までをまとめました。

この記事でわかること
  • 施工不良か経年劣化かを自分で確認するポイント
  • 放置した場合に傷みがどう進むかと、今すぐ対処すべき状態の見分け方
  • 塗り替え・カバー工法・張り替えの違いと、自分の状況への当てはめ方
  • 塗り替え・カバー工法・張り替えの費用相場
  • 施工不良を繰り返さないための業者選びの確認点
この記事を書いた人
田村 正人(たむら まさと)

タムラ塗装 代表取締役社長 / 職人歴10年 / 一級塗装技能士保有
高校を卒業と共に外壁塗装業界へ。先代(親方)のようにいつも「お客さまに喜んでもらえる会社をつくる」をモットーに、お客様はもちろん、一緒に働く仲間や家族に対して思いやりを持って過ごせる会社を目指す。

外壁の剥がれはなぜ起こる?

窓の周辺で塗装が剥がれ、ひび割れや劣化が見られる建物の外壁

剥がれの原因は「施工不良」と「経年劣化」の2つに分けられます。

どちらが原因かによって対処が変わるので、見分け方を順に見ていきます。

その前に、外壁のしくみを簡単に押さえておきましょう。外壁は、いちばん外側に見えている板や塗り壁と、その内側の防水シートや木材でできています。板を並べて貼るタイプ(サイディング)と、セメントを塗り固めるタイプ(モルタル)が代表的です。

表面の塗装が傷むだけなら、見た目と水の入りやすさの問題です。内側の木材まで傷むと、家を支える部分に関わってきます。この内側の部分を、この記事では下地と呼びます。

なお、剥がれる前に、表面の塗料が膨らむことがあります。現場では膨れと呼ばれます。原因と対策は、下記の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい
外壁塗装の「膨れ」の原因とは?

1. はじめに 外壁塗装をした後、ふと見てみると塗装が膨れてしまっている…。 これは多くの方が経験する可能性のある問題です。「膨れ」とは、塗装した外壁が部分的に浮き上がり、気泡や袋状のものができる現象です。 この記事では、なぜ膨れが起こるのか、その原因や対策を詳しく解説していきます。

塗装後3年以内で一部が剥がれているなら「施工不良」の疑い

現場で施工不良を疑う目安は、次の3つのどれかに当てはまる場合です。法律で決まっている基準ではなく、相談前の手がかりとして見てください。

  1. 経過年数:塗装が終わってから3年以内に剥がれが出ている
  2. 場所:窓のまわり、外壁材のつなぎ目、外壁の下部など、水が入りやすい場所に集中している
  3. 広がり方:家全体ではなく、ある場所だけまとまって剥がれている(塗る前の下準備の問題が疑われる)

たとえば、塗装から数年しか経っていないのに、日当たりのよい面だけ幅数十センチにわたって剥がれている場合、最初に塗る材料と外壁材の組み合わせが合っていなかった、ということが現場ではよくあります。

こうした施工不良の裏には、最初に塗る材料の選び方、薄める濃さや塗る量、塗る前の下準備といった、現場の進め方の問題があることが多いです。

ただし、施工不良による剥がれは「塗装した直後」よりも「2〜3年後に突然」出てくることのほうが実際には多いです。

年数だけでは施工不良かどうかを正確に判断できません。最終的な原因の特定は、現地で専門家に診てもらうしかありません。ここでの確認は、あくまで相談前の目安です。

また、塗装の膜が剥がれるのとは別に、外壁の板を留めている釘やビスが外れて、板自体が波打つように動くこともあります。現場では浮きと呼ばれます。

板が動く感触がある場合は、下記の記事をご覧ください。

あわせて読みたい
外壁サイディング浮きの原因と修理方法

外壁サイディングは、家を保護し美観を保つ重要な役割を担っていますが、 経年劣化や外部環境の影響により「浮き」などのトラブルが発生することがあります。 このブログでは、外壁サイディングの浮きが発生する原因と、適切な修理方法について詳しく解説します。 1. サイディング浮きとは?どんな症状が出

色あせを伴って全体に広がっているなら「経年劣化」のサイン

年数による傷みの場合、剥がれは外壁全体に均一に広がるのが特徴です。

剥がれが出る前には、こんなサインが重なって現れることが多いです。

  • 外壁の色あせ
  • 手で触れると白い粉がつく(現場ではチョーキングと呼ばれます)
  • ひび割れ
  • 塗装のツヤがなくなる

これらが複数重なっているなら、塗装の寿命が近づいているサインと見てください。

塗料の種類ごとの持ちの目安は次のとおりです。メーカーの保証年数でも、公的な基準でもありません。現場や塗料メーカーが使う目安です。

塗料の種類 持ちの目安
アクリル 5〜8年
ウレタン 7〜10年
シリコン 10〜15年
フッ素 15〜20年
無機 20〜25年

一般的なシリコン塗料で10〜15年前後を過ぎて剥がれが出ているなら、年数による傷みが進み、そろそろ塗り替えを考える時期に入っています

経年劣化だからといって「正常な変化だから放置していい」とはなりません。

放置するとどう進むかは、次の項目で確認してください。

外壁の剥がれを放置するとどうなる?

塗装が剥がれ、激しくサビ(錆)が発生している金属製の壁

「もう少し様子を見てもいいか、それとも今すぐ動くべきか」。

様子見を続けると、修繕費が大きく膨らむことがあります。

放置すると最終的には家の骨組みまで傷んでしまう

外壁の剥がれを放置すると、傷みは次の順で広がっていきます。これは公式な分類ではなく、現場でよく見る進み方です。

  1. 表面の塗装の防水が弱まり、外壁が水を吸い始める。この段階なら、塗り替えだけで対応できることが多い
  2. 外壁材の内側まで雨水が染み込み、木材が腐ったりカビが生えたりし始める
  3. 家を支える柱や土台まで傷みが及び、直しの規模が一気に大きくなる

3つ目まで進むと、雨漏りの修理だけで100万〜200万円かかることがあります。シロアリの駆除や基礎の補修が加わると、さらに費用は上がります。金額は建物の状態によって幅が大きい目安です。

対処が遅れるほど工事の規模が大きくなり修繕費も高額に

傷みの進み方によって、必要な工事の規模と費用は変わります。

  • 表面の塗装だけの傷み:塗り替えで対応できる。費用目安はおおむね60万〜180万円
  • 外壁材は傷んでいるが、内側の下地は大丈夫:上から重ねて張る方法(カバー工法)が必要。費用目安はおおむね130万〜220万円
  • 内側の下地まで腐っている:張り替えが必要。費用目安はおおむね150万〜300万円

早めに気づいて対処するほど、工事の規模も費用も小さく抑えられます

今すぐ直すべきかは「範囲・剥がれた面・まわりの症状」で見極める

「今すぐ対処すべきか」は、次の3つの視点で見極めます。

  • 範囲:数センチの剥がれが点在する程度なら、部分的な補修で対応できる可能性があります
  • 剥がれた面:塗料の層だけ剥がれていて、下に以前の塗料の色が見えているなら、塗料がうまくくっついていなかった状態です。サイディングやモルタルそのものが見えているなら、外壁材自体が傷んでいます
  • まわりの症状:ひび割れや、つなぎ目のゴムが縮んでできた隙間も判断材料になります

次のいずれかに当てはまるなら、早めに見てもらった方がよいサインです。

  • 手のひらサイズ以上の剥がれが複数ある
  • 塗装が広範囲にめくれ上がっている
  • 外壁材が露出してカサカサしていたり、変色している

先ほどの持ちの目安を超えていて剥がれも見られるなら、塗り替えを検討する時期といえます。

ただし、剥がれの原因を見た目だけで判断するのは、プロでも難しいものです。

「施工不良に違いない」と決めつけたり、「まだ大丈夫」と放置したりせず、専門家に現地を見てもらうことが大切です。

剥がれの原因は見た目だけでの判断が難しく、専門家が現地で確認します
対応エリア

東京都足立区・荒川区・23区・都内近郊

自分の状況に合った補修方法は?3つの選択肢

「1」「2」「3」の数字が書かれたブロックの前に立ち、見つめるビジネスマンのミニチュア人形

直し方は、塗り替え・カバー工法・張り替えの3つです。

どの方法を選ぶ場合でも、剥がれを防ぐには塗る前の下準備(下地補修)が先決です。下地補修の具体的な内容は、下記の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい
外壁塗装の80%は「下地補修」で決まる⁉︎塗るだけじゃ綺麗にならない理由は…?

みなさん一度は、「なんで塗装屋が補修をやるの…?」「塗装だけじゃないの…?」と思ったことはありませんか? 名前に“塗装”と入っている以上、そう思うのも仕方ないかもしれません。そこで本記事では、そもそも「下地補修とは何か?」「なぜ塗装屋が下地補修をするのか?」を詳しく解説していきます! 外

外壁の状態に応じた直し方を確認しましょう。

外壁材が傷んでいなければ「塗り替え」で対応できる

今ある外壁材の上に、新しい塗料を塗りなおす方法です。

次のような状態であれば、塗り替えで対応できます。

  • 外壁材自体に傷みが少ない
  • 色あせや、触ると白い粉がつく状態が見られる
  • 軽いひび割れにとどまっている

逆に外壁材や内側の下地まで傷みが進んでいる場合、塗り替えだけでは根本的な解決になりません。

年数による傷みではなく施工不良による剥がれの場合も、下地補修をしっかりおこなったうえであれば塗り替えで対応できます。

ただし下地補修が不十分なままでは、また同じ場所が剥がれます。

工期の目安は5〜14日程度です。

外壁材の劣化が進んでいても下地が健全なら「カバー工法」

今ある外壁の上から、新しい板を重ねて張る方法です。現場ではカバー工法と呼ばれます。

外壁材の傷みが進んでいても、内側の下地が大丈夫であれば施工できます。

張り替えより費用を抑えながら、外壁の性能を上げられる点が特徴です

塗り替えでは対応しきれないほどひび割れ・反り・変色が進んでいるものの、内側までは傷んでいない。こうした中間的な状態に向いています。

今ある外壁材を撤去しないため廃材が少なく、張り替えより工期も短くなる傾向があります。

工期の目安は10〜20日程度です。

下地まで腐食が及んでいる場合は「張り替え」が必要

今ある外壁材をすべて外し、新しい外壁材に交換する方法です。

内側の下地まで点検・補修できるため、雨漏りや下地の腐りがある場合でも、根本的な改善が期待できます。

3つの方法の中でもっとも費用がかかります

工期の目安は10〜25日程度です。

外壁の剥がれ補修にはいくらかかる?3つの工法の費用相場

「御見積書」の書類、電卓、家の形の木製模型、ヘルメット、作業服が並べられた様子

工法ごとの費用相場は、建物の大きさや傷み方によって変わりますが、目安は次のとおりです。

工法 費用相場の目安 向いている状態
塗り替え 60万〜180万円程度 外壁材は大丈夫で、表面の塗装だけの傷み
カバー工法 130万〜220万円程度 外壁材は傷んでいるが、内側の下地は大丈夫
張り替え 150万〜300万円程度 内側の下地まで腐っている

※外壁の面積が100〜200㎡程度の場合の、一般的な相場です。公的な統計ではなく、業界で使われる目安です。

私たちタムラ塗装では、延床25坪・2階建ての住宅を想定した場合、スタンダードプラン(シリコン塗料)で税込約120万円〜、ハイグレードプラン(フッ素塗料)で約140万円〜が目安です。

建物が大きくなると費用も上がり、50坪規模の住宅で約220万円〜、アパート10戸程度の規模で約250万円〜です。

費用が高くなる主な要因は次の5つです。

  • 下地の補修が必要な場合
  • 足場や、外壁以外の部分の工事が多い場合
  • つなぎ目のゴムの補修範囲が広い場合
  • 持ちの長い外壁材・塗料を選ぶ場合
  • 今ある外壁の撤去・廃材処分が必要な場合

表の金額はあくまで目安です。

必要な工法と正確な費用は、現地調査を受けたうえで見積もりを確認してください。

同じ施工不良を繰り返さないための業者選び、3つの確認ポイント

「POINT」と書かれた木製のキューブブロックと文房具

ここまでで、剥がれの原因・放置した場合のリスク・直し方・費用の目安が整理できました。

最後に、同じ施工不良を繰り返さないために確認しておきたい3点です。

剥がれの原因と必要な下地処理を具体的に説明できるか

業者を選ぶときは、剥がれた部分を見るだけでなく、次のような点を確認してください。

  • 「なぜ剥がれたのか」を施工不良・経年劣化のどちらと判断したか
  • その判断の根拠は何か
  • 再発を防ぐために、塗る前にどのような下準備が必要か

施工不良の背景には、最初に塗る材料の選び方の誤り、薄める濃さや塗る量の誤り、塗る前の下準備の不足といった、現場の進め方の問題があることが多いです。

こうした原因を具体的に説明できる業者は、なぜ剥がれたかを理解したうえで直そうとしている業者です。

「塗りなおせば直ります」という説明で終わる場合は注意が必要です。

原因を取り除かず表面だけ塗りなおすと、同じ箇所が再び剥がれます

見積書に補修範囲と作業工程が細かく書かれているか

見積書で確認したい項目は次の3点です。

  • 補修する場所と範囲が具体的に書かれているか
  • 下塗り・中塗り・上塗り(3回に分けて塗る工程)など、作業の工程が分かれて書かれているか
  • 塗料名・使用量・単価など、比較に必要な情報が書かれているか

補修範囲や工程を「一式」とだけ示す見積書は、内容の確認が必要です※。

現場調査をせずに作られた見積書だと、実際の面積と大きくずれた金額になっていたり、後から追加費用を請求されたりする恐れもあります。

金額の合計だけを比べても、塗る前の下準備が含まれているかは分かりません。金額の比較より、再発防止に必要な作業が明記されているかを見るほうが重要です。

※出典:リフォーム工事箇所、数量、仕様や単価を確認(住まいるダイヤル)

相談から施工まで一貫して任せられる「自社施工」か

見積もりを出した会社が、実際の工事まで担当するかどうかも確認しておきたいポイントです。

現場管理の責任者と、施工中に連絡できる窓口も合わせて確認しましょう。

契約した会社が、別の業者に工事を任せる形が一律に悪いわけではありません。ただし、誰が実際に施工し、誰が現場を管理しているかを把握しておくと、説明と現場作業のずれが起きにくくなります。

私たちタムラ塗装は100%自社施工です。別の業者を挟まないため、適正な見積もりを提供しています

事前調査ではドローンを使用し、目で見えない部分まで含めて状態をお伝えします。

まとめ:外壁の剥がれを見つけたら、まずは原因と状態の確認を

  • 施工不良か経年劣化かは「経過年数・場所の集中・広がり方」で大まかに自己診断できる(確定ではなく、相談前の目安)
  • 放置するほど傷みは進むため、早期対処が費用面でも最善
  • 直し方は外壁の状態によって塗り替え・カバー工法・張り替えの3択
  • 費用の一般相場は塗り替えで60万〜180万円(私たちタムラ塗装の目安は約120万円〜)
  • 業者は、原因と下地処理の説明・見積書の具体性・実際の施工体制で選ぶ

ここまでの内容は、業者へ相談するかどうかを判断するための目安です。正確な原因の特定と直し方の確定には、現地での専門家診断が必要になります。

私たちタムラ塗装では、初回の現地診断で剥がれの原因と必要な下地処理を具体的にご説明し、工程ごとに内訳を示した見積書をお渡しします。

1980年の創業以来、4,000件を超える施工実績を積み重ねてきました。代表の田村正人も一級塗装技能士として、今も現場に立ち続けています。

100%自社施工で、施工から工程管理まで同じチームが担当します

足立区・荒川区エリアで外壁の剥がれが気になる方は、まずは診断だけでも一度ご相談ください。

工程ごとの内訳を示した見積書で、費用の中身を確認しながら検討できます
対応エリア

東京都足立区・荒川区・23区・都内近郊

この記事を書いた人
田村 正人(たむら まさと)

タムラ塗装 代表取締役社長 / 職人歴10年 / 一級塗装技能士保有
高校を卒業と共に外壁塗装業界へ。先代(親方)のようにいつも「お客さまに喜んでもらえる会社をつくる」をモットーに、お客様はもちろん、一緒に働く仲間や家族に対して思いやりを持って過ごせる会社を目指す。

関連記事

お気軽に
お問い合わせください

Contact Us
対応エリア

東京都足立区・荒川区・23区・都内近郊

タムラ塗装は、経験豊富なスタッフ全員でお客さまと信頼関係を築き、安心・安全・高品質を提供します。
東京都(足立区・荒川区)で外壁塗装・屋根修理のご相談は、お気軽にお問い合わせください。

お気軽にお問い合わせください

外壁のこと、屋根のこと。お気軽にご相談ください。