2026.08.31
投稿日:2026.08.31
外壁に剥がれを見つけると、「今すぐ対処が必要なのか、それとも様子を見てもいいのか」という疑問が最初に浮かぶはずです。
工事の不備が原因なのか、年数が経ったことによる傷みなのかで、急ぐ度合いも直し方も変わります。
結論からお伝えすると、塗装から3年以内に一部だけ剥がれているなら施工不良、塗料の持ちの目安を過ぎたころに色あせとともに全体へ広がっているなら経年劣化の可能性が高いです(持ちの目安は後ほど紹介します)。
この記事では、一級塗装技能士として現場に立ち続けてきた立場から、剥がれの原因の見分け方、放置した場合に起きること、直し方と費用の目安、業者の確認点までをまとめました。

タムラ塗装 代表取締役社長 / 職人歴10年 / 一級塗装技能士保有
高校を卒業と共に外壁塗装業界へ。先代(親方)のようにいつも「お客さまに喜んでもらえる会社をつくる」をモットーに、お客様はもちろん、一緒に働く仲間や家族に対して思いやりを持って過ごせる会社を目指す。

剥がれの原因は「施工不良」と「経年劣化」の2つに分けられます。
どちらが原因かによって対処が変わるので、見分け方を順に見ていきます。
その前に、外壁のしくみを簡単に押さえておきましょう。外壁は、いちばん外側に見えている板や塗り壁と、その内側の防水シートや木材でできています。板を並べて貼るタイプ(サイディング)と、セメントを塗り固めるタイプ(モルタル)が代表的です。
表面の塗装が傷むだけなら、見た目と水の入りやすさの問題です。内側の木材まで傷むと、家を支える部分に関わってきます。この内側の部分を、この記事では下地と呼びます。
なお、剥がれる前に、表面の塗料が膨らむことがあります。現場では膨れと呼ばれます。原因と対策は、下記の記事で詳しく解説しています。
1. はじめに 外壁塗装をした後、ふと見てみると塗装が膨れてしまっている…。 これは多くの方が経験する可能性のある問題です。「膨れ」とは、塗装した外壁が部分的に浮き上がり、気泡や袋状のものができる現象です。 この記事では、なぜ膨れが起こるのか、その原因や対策を詳しく解説していきます。
現場で施工不良を疑う目安は、次の3つのどれかに当てはまる場合です。法律で決まっている基準ではなく、相談前の手がかりとして見てください。
たとえば、塗装から数年しか経っていないのに、日当たりのよい面だけ幅数十センチにわたって剥がれている場合、最初に塗る材料と外壁材の組み合わせが合っていなかった、ということが現場ではよくあります。
こうした施工不良の裏には、最初に塗る材料の選び方、薄める濃さや塗る量、塗る前の下準備といった、現場の進め方の問題があることが多いです。
ただし、施工不良による剥がれは「塗装した直後」よりも「2〜3年後に突然」出てくることのほうが実際には多いです。
年数だけでは施工不良かどうかを正確に判断できません。最終的な原因の特定は、現地で専門家に診てもらうしかありません。ここでの確認は、あくまで相談前の目安です。
また、塗装の膜が剥がれるのとは別に、外壁の板を留めている釘やビスが外れて、板自体が波打つように動くこともあります。現場では浮きと呼ばれます。
板が動く感触がある場合は、下記の記事をご覧ください。
外壁サイディングは、家を保護し美観を保つ重要な役割を担っていますが、 経年劣化や外部環境の影響により「浮き」などのトラブルが発生することがあります。 このブログでは、外壁サイディングの浮きが発生する原因と、適切な修理方法について詳しく解説します。 1. サイディング浮きとは?どんな症状が出
年数による傷みの場合、剥がれは外壁全体に均一に広がるのが特徴です。
剥がれが出る前には、こんなサインが重なって現れることが多いです。
これらが複数重なっているなら、塗装の寿命が近づいているサインと見てください。
塗料の種類ごとの持ちの目安は次のとおりです。メーカーの保証年数でも、公的な基準でもありません。現場や塗料メーカーが使う目安です。
| 塗料の種類 | 持ちの目安 |
|---|---|
| アクリル | 5〜8年 |
| ウレタン | 7〜10年 |
| シリコン | 10〜15年 |
| フッ素 | 15〜20年 |
| 無機 | 20〜25年 |
一般的なシリコン塗料で10〜15年前後を過ぎて剥がれが出ているなら、年数による傷みが進み、そろそろ塗り替えを考える時期に入っています。
経年劣化だからといって「正常な変化だから放置していい」とはなりません。
放置するとどう進むかは、次の項目で確認してください。

「もう少し様子を見てもいいか、それとも今すぐ動くべきか」。
様子見を続けると、修繕費が大きく膨らむことがあります。
外壁の剥がれを放置すると、傷みは次の順で広がっていきます。これは公式な分類ではなく、現場でよく見る進み方です。
3つ目まで進むと、雨漏りの修理だけで100万〜200万円かかることがあります。シロアリの駆除や基礎の補修が加わると、さらに費用は上がります。金額は建物の状態によって幅が大きい目安です。
傷みの進み方によって、必要な工事の規模と費用は変わります。
早めに気づいて対処するほど、工事の規模も費用も小さく抑えられます。
「今すぐ対処すべきか」は、次の3つの視点で見極めます。
次のいずれかに当てはまるなら、早めに見てもらった方がよいサインです。
先ほどの持ちの目安を超えていて剥がれも見られるなら、塗り替えを検討する時期といえます。
ただし、剥がれの原因を見た目だけで判断するのは、プロでも難しいものです。
「施工不良に違いない」と決めつけたり、「まだ大丈夫」と放置したりせず、専門家に現地を見てもらうことが大切です。
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直し方は、塗り替え・カバー工法・張り替えの3つです。
どの方法を選ぶ場合でも、剥がれを防ぐには塗る前の下準備(下地補修)が先決です。下地補修の具体的な内容は、下記の記事で詳しく解説しています。
みなさん一度は、「なんで塗装屋が補修をやるの…?」「塗装だけじゃないの…?」と思ったことはありませんか? 名前に“塗装”と入っている以上、そう思うのも仕方ないかもしれません。そこで本記事では、そもそも「下地補修とは何か?」「なぜ塗装屋が下地補修をするのか?」を詳しく解説していきます! 外
外壁の状態に応じた直し方を確認しましょう。
今ある外壁材の上に、新しい塗料を塗りなおす方法です。
次のような状態であれば、塗り替えで対応できます。
逆に外壁材や内側の下地まで傷みが進んでいる場合、塗り替えだけでは根本的な解決になりません。
年数による傷みではなく施工不良による剥がれの場合も、下地補修をしっかりおこなったうえであれば塗り替えで対応できます。
ただし下地補修が不十分なままでは、また同じ場所が剥がれます。
工期の目安は5〜14日程度です。
今ある外壁の上から、新しい板を重ねて張る方法です。現場ではカバー工法と呼ばれます。
外壁材の傷みが進んでいても、内側の下地が大丈夫であれば施工できます。
張り替えより費用を抑えながら、外壁の性能を上げられる点が特徴です。
塗り替えでは対応しきれないほどひび割れ・反り・変色が進んでいるものの、内側までは傷んでいない。こうした中間的な状態に向いています。
今ある外壁材を撤去しないため廃材が少なく、張り替えより工期も短くなる傾向があります。
工期の目安は10〜20日程度です。
今ある外壁材をすべて外し、新しい外壁材に交換する方法です。
内側の下地まで点検・補修できるため、雨漏りや下地の腐りがある場合でも、根本的な改善が期待できます。
3つの方法の中でもっとも費用がかかります。
工期の目安は10〜25日程度です。

工法ごとの費用相場は、建物の大きさや傷み方によって変わりますが、目安は次のとおりです。
| 工法 | 費用相場の目安 | 向いている状態 |
|---|---|---|
| 塗り替え | 60万〜180万円程度 | 外壁材は大丈夫で、表面の塗装だけの傷み |
| カバー工法 | 130万〜220万円程度 | 外壁材は傷んでいるが、内側の下地は大丈夫 |
| 張り替え | 150万〜300万円程度 | 内側の下地まで腐っている |
※外壁の面積が100〜200㎡程度の場合の、一般的な相場です。公的な統計ではなく、業界で使われる目安です。
私たちタムラ塗装では、延床25坪・2階建ての住宅を想定した場合、スタンダードプラン(シリコン塗料)で税込約120万円〜、ハイグレードプラン(フッ素塗料)で約140万円〜が目安です。
建物が大きくなると費用も上がり、50坪規模の住宅で約220万円〜、アパート10戸程度の規模で約250万円〜です。
費用が高くなる主な要因は次の5つです。
表の金額はあくまで目安です。
必要な工法と正確な費用は、現地調査を受けたうえで見積もりを確認してください。

ここまでで、剥がれの原因・放置した場合のリスク・直し方・費用の目安が整理できました。
最後に、同じ施工不良を繰り返さないために確認しておきたい3点です。
業者を選ぶときは、剥がれた部分を見るだけでなく、次のような点を確認してください。
施工不良の背景には、最初に塗る材料の選び方の誤り、薄める濃さや塗る量の誤り、塗る前の下準備の不足といった、現場の進め方の問題があることが多いです。
こうした原因を具体的に説明できる業者は、なぜ剥がれたかを理解したうえで直そうとしている業者です。
「塗りなおせば直ります」という説明で終わる場合は注意が必要です。
原因を取り除かず表面だけ塗りなおすと、同じ箇所が再び剥がれます。
見積書で確認したい項目は次の3点です。
補修範囲や工程を「一式」とだけ示す見積書は、内容の確認が必要です※。
現場調査をせずに作られた見積書だと、実際の面積と大きくずれた金額になっていたり、後から追加費用を請求されたりする恐れもあります。
金額の合計だけを比べても、塗る前の下準備が含まれているかは分かりません。金額の比較より、再発防止に必要な作業が明記されているかを見るほうが重要です。
※出典:リフォーム工事箇所、数量、仕様や単価を確認(住まいるダイヤル)
見積もりを出した会社が、実際の工事まで担当するかどうかも確認しておきたいポイントです。
現場管理の責任者と、施工中に連絡できる窓口も合わせて確認しましょう。
契約した会社が、別の業者に工事を任せる形が一律に悪いわけではありません。ただし、誰が実際に施工し、誰が現場を管理しているかを把握しておくと、説明と現場作業のずれが起きにくくなります。
私たちタムラ塗装は100%自社施工です。別の業者を挟まないため、適正な見積もりを提供しています。
事前調査ではドローンを使用し、目で見えない部分まで含めて状態をお伝えします。
ここまでの内容は、業者へ相談するかどうかを判断するための目安です。正確な原因の特定と直し方の確定には、現地での専門家診断が必要になります。
私たちタムラ塗装では、初回の現地診断で剥がれの原因と必要な下地処理を具体的にご説明し、工程ごとに内訳を示した見積書をお渡しします。
1980年の創業以来、4,000件を超える施工実績を積み重ねてきました。代表の田村正人も一級塗装技能士として、今も現場に立ち続けています。
100%自社施工で、施工から工程管理まで同じチームが担当します。
足立区・荒川区エリアで外壁の剥がれが気になる方は、まずは診断だけでも一度ご相談ください。
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