外壁塗装の有機塗料、シリコンとフッ素で迷ったら「外壁の状態を見る」プロが教える最適解

「外壁塗装はシリコン塗料が定番らしいけど、本当にうちにも最適なの?」 「フッ素塗料は長持ちするって聞くけど、価格に見合う価値はあるんだろうか…?」

塗料の名前は耳にしたことがあっても、それぞれの本当の違いや、ご自宅の外壁材との相性まで考えて選ぶのは、とても難しいですよね。 なんとなく「シリコンが定番」「フッ素は高いけど長持ち」といったイメージだけで選んでしまうと、数年後に「こんなはずでは…」と後悔する原因にもなりかねません。

この記事では、創業40年、施工実績4,000件以上のタムラ塗装が、外壁塗装でもっとも一般的な「有機塗料」について、後悔しないための選び方をプロの視点で解説します。

この記事でわかること

  • シリコンとフッ素、塗料ごとの違い
  • 自宅の劣化サインに合う塗料の選び方
  • 費用対効果がもっとも高い塗料は?
  • 塗料の性能を活かす一番の秘訣

この記事を読めば、業者任せにすることなく、自信を持ってご自宅に最適な塗料を選べるようになります。

この記事を書いた人
田村 正人(たむら まさと)

タムラ塗装 代表取締役社長 / 職人歴10年 / 一級塗装技能士保有
高校を卒業と共に外壁塗装業界へ。先代(親方)のようにいつも「お客さまに喜んでもらえる会社をつくる」をモットーに、お客様はもちろん、一緒に働く仲間や家族に対して思いやりを持って過ごせる会社を目指す。

有機塗料とは?無機塗料との違いから基本を知ろう

水色のシャツを着た若い男性が、白い背景をバックに、腕を組んで顎に手を当て、難しい顔で考え込んでいる。外壁塗装における1液塗料と2液塗料の違いや、価格、耐久性などのメリット・デメリットを比較検討し、どちらを選ぶべきか悩んでいる施主を表現。後悔しない塗料選びの疑問や不安を象徴する、共感性の高いイメージ。

まずは「有機塗料」そのものについて、基本的な知識から見ていきましょう。 日本の住宅の多くで、なぜこの有機塗料が使われているのか、その理由も分かります。

有機塗料と無機塗料の違いを一覧比較

有機塗料は、「炭素を含む有機物」を主な成分にした塗料です。 外壁塗装で使われる塗料のほとんどがこの有機塗料で、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素といった種類があります。

その特徴を理解するために、よく比較されるのが「無機塗料」。 こちらは、ガラスや石といった「炭素を含まない無機物」を主成分にしています。両者の違いを下の表にまとめました。

比較項目 有機塗料 無機塗料
主成分 炭素を含む有機物 炭素を含まない無機物
耐用年数 10年〜15年程度が主流 20年〜25年程度
紫外線への強さ 弱い 強い
塗膜の柔軟性 〇(柔軟でひび割れしにくい) △(硬くひび割れしやすい)
価格帯 幅広い(安価〜高価) 高価

表を見てわかる通り、有機塗料の一番の特徴は、塗膜がしなやかでひび割れしにくい点。 ただし、主成分の有機物は紫外線で少しずつ分解されるため、色あせなどが起こりやすいのが弱点です。

一方、無機塗料は紫外線に非常に強く長持ちしますが、塗膜が硬いためひび割れしやすいという一面も持っています。

どちらが良い・悪いというわけではなく、それぞれにこのような特徴がある、と理解しておくと良いでしょう。

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【代表的な4種類】有機塗料の特徴を比較

有機塗料には、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素という代表的な4つの種類があります。 それぞれの特徴を下の表にまとめました。

種類 耐用年数(目安) 費用相場(m²単価) な特徴
シリコン 10年〜15年 2,300円〜3,500円

・価格と機能のバランスが良い

・汚れにくく、カビや藻にも強い

・現在の主流で、製品の種類が豊富

フッ素 15年〜20年 3,800円〜4,800円

・耐用年数が非常に長い

・紫外線に強く、光沢を長期間保つ

・塗膜が硬く、ひび割れしやすい場合がある

ウレタン 8年〜10年 1,900円〜2,500円

・塗膜が柔らかく、細かい部分の塗装向き

・密着性が高く、雨樋や手すりなどにも使われる

アクリル 5年〜8年 1,400円〜1,800円

・価格がもっとも安い

・耐用年数が短く、現在はあまり使われない

【症状別】自宅の外壁に最適な有機塗料の選び方

「どの塗料がいいか、だいたいは分かったけど、結局うちにはどれが合うの?」

そんな疑問に答えるため、ここではご自宅の「劣化症状」を手がかりに、ご自宅に合う塗料を選ぶための考え方を紹介します。 基本は、価格と性能のバランスが良い「シリコン塗料」を基準に置き、そこからご自宅の状況や目的に合わせて、他の塗料を考えていくのが分かりやすいです。

色あせ・チョーキングは「耐候性」を考える

外壁全体が新築の頃より白っぽく色あせて見えたり、手で触るとチョークのような白い粉が付いたりする場合。 これは紫外線で塗膜が劣化したサインなので、紫外線に強い「耐候性」の高い塗料を選びましょう。

具体的には、フッ素塗料や、シリコン塗料の中でもグレードの高い製品が良いでしょう。 これらの塗料は耐候性に優れ、長い期間、色つやを保ちます。

細かいひび割れは「柔軟性」を考える

モルタル外壁などに見られる、髪の毛ほどの細いひび割れ(ヘアラインクラック)。 これは、建物の動きや外壁材の伸縮に塗膜がついていけず、ひびが入っている状態です。

この場合は、塗膜の「柔軟性」が高い塗料で、今後のひび割れを防ぐ必要があります。 塗膜が柔らかいシリコン塗料やウレタン塗料が向いています。 逆に、塗膜が硬いフッ素塗料は、こうした症状が出ている外壁にはあまり合いません。

とにかく長持ちさせたいなら「耐用年数」を考える

特に目立った劣化はないものの、前回の塗装から年数が経っているため、塗り替えを検討している場合。 この場合は、シンプルに「耐用年数」が長い塗料を選ぶのが一つの考え方です。

もっとも耐用年数が長いのはフッ素塗料ですが、価格も高くなります。 次に長いシリコン塗料でも15年近い耐久性が期待できるため、予算と塗り替えたい年数のバランスを考えて選ぶのがおすすめです。

コストを抑えたいなら「費用対効果」を考える

初期費用をできるだけ安くしたい、というのも正直な気持ちですよね。 しかし、ここで一番価格の安いアクリル塗料を選ぶのは、あまりおすすめできません。

耐用年数が短いため、すぐに次の塗り替え時期が来てしまい、そのたびに足場代や人件費がかさんでしまうからです。 初期費用と耐用年数のバランスを考えた「費用対効果」でもっとも優れているのは、やはりシリコン塗料といえるでしょう。

それでも塗料選びで迷うなら「ハイブリッド塗料」も

開いた青いペンキ缶の上に、清潔な塗装用ブラシが置かれている、上からのクローズアップ写真。全体がクールな青色で統一されており、住宅の改装、DIYプロジェクト、または創造的な作業の始まりを象徴する一枚。

ここまで読んでも、「うちの外壁には、どの塗料の長所も必要で、一つに絞れない…」と感じる方もいるかもしれません。 そんな場合に検討してみたいのが、両方の長所をあわせ持つ「ハイブリッド塗料」です。

①有機と無機の長所を組み合わせた塗料

ハイブリッド塗料とは、有機塗料をベースに無機物を混ぜ合わせ、両方の長所を組み合わせた塗料です。

有機塗料の弱点である「紫外線の弱さ」を無機物で補い、無機塗料の弱点である「塗膜の硬さ」を有機物の柔軟性で補う。 これにより、「長持ちするのに、ひび割れしにくい」という、バランスの取れた性能が生まれます。

シリコンがベースのハイブリッド塗料なら15年前後、フッ素がベースのものなら20年以上の耐用年数が期待でき、価格もフッ素塗料と同じくらいか、少し高いくらい。 有機塗料と無機塗料のちょうど中間に位置する、非常にバランスの取れた塗料として、近年使われることが増えています。

②なぜタムラ塗装はハイブリッド塗料を扱うのか

「できるだけ長持ちさせたいけど、予算も気になる」 これは、多くのお客様が抱える、ごく自然な気持ちだと思います。

これまでの塗料選びは、耐久性、柔軟性、そして価格のどれかを優先すれば、どれかを諦めなくてはならない、という側面がありました。

しかし、近年登場したハイブリッド塗料は、その常識を変えつつあります。 たとえば、私たちがよく採用するエスケー化研の「エスケープレミアムシリーズ」は、有機塗料の柔軟性を持ちながら、無機塗料のように紫外線に強く長持ちします。

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これにより「フッ素ほど高額ではなくても、シリコンより長持ちさせたい」という、多くの方が望むちょうど良いバランスが実現しやすくなりました。 これが、私たちがハイブリッド塗料をおすすめする理由です。

もちろん、ハイブリッド塗料も万能ではありません。 ご自宅の状況によっては、純粋なシリコン塗料の方が合っている場合もあります。 大切なのは、たくさんの塗料の中から、専門家の視点で「あなたの家にとって、本当に合うのは何か」を見つけ出すことです。

まとめ:後悔しない有機塗料選びは、信頼できる業者選びから

お揃いのユニフォームとヘルメットを着用した3人の職人チームが、青空の下、一列に並んで同じ方向を見つめている。全員がヘルメットに手をかざし、未来のビジョンや目標をしっかりと見据えるその姿は、外壁塗装やリフォーム工事における強固なチームワークと安全への誓いを象徴。顧客と地域の未来に貢献するという、企業の揺るぎない決意と団結力を示す、プロフェッショナルで頼もしいイメージ。

この記事では、外壁塗装で中心的に使われる有機塗料について、その種類や特徴、そしてご自宅の状況に合わせた選び方を解説してきました。

高価なフッ素塗料からバランスの良いシリコン塗料までさまざまですが、大切なのはカタログの情報だけで判断しないこと。 塗料の性能を最大限に引き出すには、ご自宅の外壁材との相性を見きわめ、それを実現できる高い施工品質が欠かせません。

  • 有機塗料の基本: 柔軟性が長所だが、紫外線で劣化する。
  • 代表的な塗料: 「価格と性能のバランス」ならシリコン、「長期的な耐久性」ならフッ素が基本。
  • 劣化サインと塗料: 色あせには耐候性、ひび割れには柔軟性を重視する。
  • 性能を活かすには: 塗料の性能は「外壁材との相性」と「施工品質」で決まる。
  • 新たな塗料: 耐久性と柔軟性を両立するハイブリッド塗料も有力。

最適な塗料選びは、信頼できる業者選びから始まります。

タムラ塗装では、40年以上の経験と4,000件の実績を基に、専門の診断士があなたのご自宅に最適な塗料と施工プランをご提案します。 単に塗料を売るのではなく、長期的な視点で資産価値を守るお手伝いをすることが私たちの役目です。

「まずは専門家の意見を聞いてみたい」という方も歓迎します。 ご相談、お見積もりは無料ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人
田村 正人(たむら まさと)

タムラ塗装 代表取締役社長 / 職人歴10年 / 一級塗装技能士保有
高校を卒業と共に外壁塗装業界へ。先代(親方)のようにいつも「お客さまに喜んでもらえる会社をつくる」をモットーに、お客様はもちろん、一緒に働く仲間や家族に対して思いやりを持って過ごせる会社を目指す。

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