
2025.07.03
投稿日:2025.07.03
「せっかくの外壁塗装、どうせなら一番長持ちする塗料を選びたい」 「でも、最近よく聞く『無機塗料』って、本当にそんなに良いものなの?」
大切なお住まいのメンテナンスを考えるとき、費用も安くないからこそ、塗料選びで絶対に失敗や後悔はしたくない、と感じるのは当然のことです。
結論からお伝えすると、無機塗料は現在の塗料の中で最高レベルの耐久性を誇ります。しかし、その性能を最大限に引き出すには、メリットだけでなく、注意点までを正しく理解しておくことが大切です。
この記事では、無機塗料の基本的な特徴から、他の塗料との違い、気になる価格、そして実際の評判まで、外壁塗装のプロの視点から詳しく解説します!
「無機塗料」と聞くと、何か特別なものを想像されるかもしれませんが、その正体は「無機物」と「有機物」を組み合わせたハイブリッド塗料。主成分となるのは、ガラスや石、レンガといった炭素を含まない「無機物」です。この無機物は外壁劣化の原因となる紫外線に非常に強く、実は、無機物自体は“半永久的”に劣化することがありません。
しかし無機物だけでは塗料として壁に密着させることができないため、接着剤の役割を果たす「有機物(樹脂)」を少量だけ配合しています。
つまり、紫外線に強い無機物の“強さ”と、壁に密着する有機物の”しなやかさ”、両方の良いところを掛け合わせた塗料が「無機塗料」です。
無機塗料は、2000年代に日本のメーカーによって開発された、比較的新しい塗料です。その最大の特徴は、他の塗料を圧倒する性能の高さにあります。
一般的なシリコン塗料が10〜15年、フッ素塗料でも15〜20年の耐用年数なのに対し、無機塗料は20〜25年という驚異的な長寿命を誇ります。これは上で紹介したように、主成分である無機物が紫外線でほとんど劣化しないためです。
また外壁が色あせたり、手で触ると白い粉が付いたりする(チョーキング現象)のは、主に太陽光に含まれる紫外線が原因で、塗料を構成する分子の結合が紫外線によって破壊されてしまうために起こります。
無機塗料の主成分である無機物は、この分子の結合エネルギーが非常に強く、紫外線のエネルギーを受けても簡単には壊れません。そのため、長期間にわたって塗膜の劣化を防ぎ、新築時のような美しい状態を維持できるのです。これが、無機塗料が持つ圧倒的な耐候性の秘密です。
「これが最後の塗装にしたい」と考える方によく選ばれています。
無機塗料は塗膜の表面が水に馴染みやすい「親水性(しんすいせい)」という性質を持っています。
これにより、雨が降ると外壁に付着した汚れの下に雨水が入り込み、汚れを浮かせてそのまま洗い流してくれます。この「セルフクリーニング効果」により、排気ガスやホコリが気になる都市部でも、長期間にわたって美しい外観を保てます。
さらに近年は親水性を超える「超親水性」の無機塗料も販売されています。
面の水馴染みが良い事を”親水性”と言いますが、その中でも面の上の水が平べったく接触角が10°以下の状態を”超親水性”と言います。
そもそもカビやコケは、塗料に含まれる有機物(樹脂成分)を栄養源として繁殖します。
無機塗料はその有機物の含有量が極めて少ないため、そもそもカビやコケが発生できない外壁環境をつくります。日当たりの悪い外壁などで、これまで緑色に汚れてしまっていた…。という方は無機塗料を推奨しています。
では、これまで主流だったシリコンやフッ素といった塗料と、無機塗料は何がどう違うのでしょうか。それぞれの特徴と、無機塗料がどのような立ち位置にあるのかを、プロの視点から比べていきましょう。
耐用年数は5〜8年と短く、価格が安いのが特徴です。かつては主流でしたが、耐久性の低さから現在ではあまり使われなくなりました。あらゆる性能面で、無機塗料との差は非常に大きいです。
耐用年数は8〜10年ほど。塗膜が柔らかく、細かい部分の塗装に向いていますが、紫外線にはあまり強くありません。無機塗料と比べると、耐用年数で倍以上の差が開いてしまいます。
耐用年数は10〜15年で、現在もっとも普及している塗料です。
価格と性能のバランスが良く、多くのお住まいで採用されています。無機塗料は、このシリコン塗料の“上位互換”とイメージすると分かりやすいでしょう。価格は上がりますが、耐久性や防汚性でシリコンを大きく上回ります。
耐用年数は15〜20年。東京スカイツリーの鉄骨部分にも使われているほど、非常に高い耐久性を誇ります。
無機塗料はこのフッ素塗料と同等か、それ以上の耐久性を持ちながら、さらにセルフクリーニング効果などの付加価値が備わっているのが違いになります。
ここまでの話を一度、表にまとめてみましょう。
塗料の種類 |
主な樹脂 |
耐用年数(目安) |
費用相場(30坪) |
特徴 |
アクリル |
アクリル |
5~8年 |
60~90万円 |
安価だが耐久性が低い |
ウレタン |
ウレタン |
8~10年 |
70~110万円 |
密着性と柔軟性 |
シリコン |
シリコン |
10~15年 |
80~130万円 |
コスパの主流 |
フッ素 |
フッ素 |
15~20年 |
110~160万円 |
高耐久・高価格 |
無機塗料 |
無機物 |
20~25年 |
120~180万円 |
最高レベルの耐久性・防汚性 |
無機塗料は価格も高いですから、業者は「推奨するよね」と言われかねませんが…(笑)
無機塗料は「価格以上の価値・機能がある」というのが私たちの考えです。当然どんなプランにするのかは最終的にはお客様が判断いただければOKですが、少しの金額UPで“倍以上の耐久性がある”のであれば、無機塗料も視野に入れていただくと良いかなと思います!
専門的な塗料の話にはなりますが、当社ではエスケー化研さんから販売されている「エスケープレミアム無機」をハイグレードプラン塗料として採用しています。この無機塗料は長持ちしますし、何より「エスケー化研」さんは当社でも長年使用してきた老舗塗料メーカーさんです。
実は塗装業者も「塗料メーカーさんからの営業」を受けるのですが…、新しい塗料というのは、数年先の品質の担保ができません。新薬の治験データが少ないイメージでしょうか。
そのため当社ではこのエスケー化研さんの「エスケープレミアム無機」を創業以来から採用し続けています。
関連ページ:『料金プラン|足立区で屋根・外壁塗装ならタムラ塗装』
これ以上ないほど優れた性能を持つように見える無機塗料ですが、採用する前に必ず知っておくべき注意点もあります。メリットだけでなく注意点もご紹介していきます。
無機物は「燃えない」性質を持つため、無機塗料も防火性が高いのは事実です。しかし、だからといって「燃えない家になる」というのは違います。
建築基準法では、火災に対する安全性から建材の燃えにくさに応じて「不燃材料」「準不燃材料」「難燃材料」というランクが定められています。無機塗料の多くは”燃えにくい”という「難燃性」に分類され、法的に「不燃材料」として認定されている製品はごく一部です。
「防火性能が格段に上がる」と過度な期待はせず、あくまで「燃えにくい性質を持っている」という認識に留めておきましょう。
無機塗料を選ぶ上で理解しておくべき注意点が「塗膜の硬さ」です。
ガラスや石をイメージすると分かりやすいですが、無機物は非常に硬い反面、しなやかさに欠け衝撃が加わると「パリン」と割れてしまいます。これと同じことが、無機塗料の塗膜にも起こり得ます。
例えば、地震で建物が揺れたり、外壁材そのものが温度変化で伸縮したりした際に、硬い塗膜がその動きに追従できず、表面に「ひび割れ(クラック)」を起こしてしまう可能性があるのです。特に、ひび割れが起こりやすいモルタル外壁や、揺れを吸収しやすいALCパネルの外壁の場合、このリスクを十分に理解した上で、慎重に採用を判断する必要があります。
もちろん、メーカー側もこの弱点は認識しており、有機樹脂の配合率を調整して柔軟性を持たせた「無機ハイブリッド塗料」を開発したり、ひび割れに追従する特殊な下塗り材(フィラー)とセットで施工したりすることで、リスクを最小限に抑える工夫がなされています。
性能と注意点を理解したところで、やはり一番気になるのは「費用」ではないでしょうか。具体的な価格相場と、他の塗料とのコストパフォーマンスを比較してみましょう。
30坪(外壁面積120㎡程度)の一般的な戸建て住宅の場合、足場代や高圧洗浄、下地処理といった全ての工程を含んだ総額で、およそ120万円〜180万円というのが無機塗料の価格相場です。
これは、もっとも普及しているシリコン塗料(80〜130万円程度)と比較すると、20〜40万円ほど高くなる計算です。初期費用だけを見ると、やはり高価な塗料であることは間違いありません。
外壁塗装の費用は、長期的な視点で考えることが非常に大切です。下の表は、初期費用をそれぞれの耐用年数で割った「1年あたりのコスト」を比較したものです。
塗料の種類 |
初期費用(目安) |
耐用年数(目安) |
1年あたりのコスト |
シリコン塗料 |
100万円 |
12年 |
約8.3万円 |
フッ素塗料 |
130万円 |
18年 |
約7.2万円 |
無機塗料 |
140万円 |
22年 |
約6.4万円 |
※費用や耐用年数はあくまで一般的な目安です。
このように、一度の出費は大きいものの、その後の塗り替え回数が少なく済むため、結果的にトータルのコストを抑えられる可能性があります。頻繁なメンテナンスの手間や費用を考えれば、長期的なコストパフォーマンスは非常に高いと言えるでしょう。
私たちタムラ塗装でも、これまでに多くのお客様のお住まいを無機塗料で施工してきました。実際に無機塗料を選ばれたお客様は、どのような点に魅力を感じ、どのような想いで決断されたのでしょうか。代表的な3つの声をご紹介します。
「子どもたちも独立して、これから夫婦二人でこの家に長く住み続けるつもりです。」「自分たちがまだ元気なうちに、一番長持ちする塗料でメンテナンスを済ませたいです」などなど、今後のメンテナンス負担をなくしたいとお考えの方に、無機塗料は多く選ばれている印象ですね。
「せっかく高いお金をかけるのだから、より長持ちさせたい」や「新築のときみたいな綺麗な状態を一日でも長く保ちたい」という声もありました。耐久性だけでなく、美観を維持する性能を重視される方にも無機塗料は人気です。塗り替えた直後の満足感が、20年30年と続いていくのは嬉しいポイントですよね。
「家は家族にとって一番大切な資産です。中途半端なリフォームでお金を無駄にするよりは、現時点で最も性能が良いと言われる塗料を選んで、しっかりと資産価値を維持したいと考えました」
価格よりも、まずは性能や品質を最優先したい、というこだわりをお持ちの方にとって、無機塗料はもっとも納得感のある選択肢となっているようです。
無機塗料と一言で言っても、実は様々なメーカーから数多くの製品が販売されています。中には、性能が良いとは言えないような製品が紛れているのも事実です。だからこそ、私たちタムラ塗装では、40年、4000件以上の施工経験から、日本の気候や住宅を熟知した大手メーカーが開発した、本当に信頼できる製品だけを厳選してお客様にご提案しています。
業界最大手の日本ペイントが誇る、最高級グレードの無機塗料です。無機塗料の弱点である「硬さ」をフッ素樹脂の力で克服し、高い耐候性と柔軟性を両立させています。
こちらも大手メーカー、関西ペイントの信頼できる製品です。紫外線だけでなく、雨や湿気といった複合的な要因による劣化を防ぐ独自の技術が採用されています。
これらの製品は、単に耐久性が高いだけでなく、ひび割れのリスクにもしっかりと対策が施されているため、私たちも自信を持ってお客様におすすめできます。
今回は、無機塗料について、その特徴から価格、注意点まで詳しく解説してきました。
無機塗料は、非常に優れた耐久性や防汚性を持つ一方で、価格の高さやひび割れのリスクといった、採用前に必ず知っておくべき側面も持ち合わせています。どんなに良い塗料でも、お住まいの状態や施工品質によっては、その性能を十分に発揮できないことがあるのです。
だからこそ、後悔のない外壁塗装を実現するためにもっとも大切なのは、ネットの情報だけで判断するのではなく、信頼できる専門家と一緒にご自宅の状態を正確に確認し、最適なプランを見つけることです。
私たちタムラ塗装は、足立区・荒川区で40年以上、4000件以上の施工を手掛けてきた地域密着の専門店です。ドローンを使った屋根の診断なども含め、お住まいの現状を徹底的に調査し、あなたにとってのベストな選択肢をご提案します。無理な営業は一切しないことをお約束しますので、どうぞお気軽にご相談ください。
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